渋谷のハロウィンで大騒ぎする若者と対照的に、中小製造業で働く若手・中堅
社員はなぜおとなしいのでしょうか?
企業に研修に伺っても、「最近の社員の特徴は・・・」「真面目」「大人しい」
「目立つ人がいない」と世話役の管理職の方から決まって出る言葉です。
どうやら全国的な特徴のようで、「コミュニケーション能力が下がった」とも
言われます。「コミュニケーション能力低下」については、「メール文化が浸透
して、対面コミュニケーションが減ったから」などの説があります。
しかし本当のところ、おとなしい社員が多い会社の共通点は、想像するに
「上の人に話を聞いてくれる人が居ない」ということではないでしょうか。
「何かあったら報告しなさい」言うわりには、部下が問題点などを挙げに行って
も聞き流したり、逆に自分の言いたいこだけを押し付けたり、相談事をしても
そのことを忘れていたりまた逆にお客様など外部の大事な情報やトップの指示
を部下に伝えない上司など、こんな環境だと社員は「何を言っても無駄だ」と
なってしまって、仕事上の問題点があっても、すぐに上司に報告しに行かなく
なります。
人は、「聞いてくれない人には話さない」のです。
経営陣の目から見て「おとなしく」見える社員の人たちに研修を行い、ある
テーマのグループディスカッションうと、実際はそうではないことが、よく
分かります。セミナーが始まって最初のほうは表情が堅かったものの、ディ
スカッションが進むうちにどんどん笑顔になって、会場は終始明るい笑い
声と話声で溢れていきます。
社員の生の声を聴くと、社内で活発なコミュニケーションを取る機会は
ほとんどないと聞かせれて唖然としました。業務で最低限必要な事だけ伝え
たり、聞いたりするだけで、後は、朝8時から夕方5時帰宅するまでほとんど
会話がないとのことです。
その反動で、渋谷で騒ぐのでしょうか(笑い)
企業内では、まじめに「コミュニケーション手段・機会」を設けなければ
問題も解決されず、生産性も上がらず、トップや管理層がどういう態度で
社員に接しているか?を見直してみてほしいものです。