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Channel: 製造業品質改善の進め方 高崎ものづくり技術研究所Blog
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正しいクレーム対策書・報告書の書き方:なぜなぜ分析の進め方・製造業改善事例

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不具合対策書・不具合報告書、クレーム対策書など、呼び方は様々ですが
その内容書き方、手順について詳しく説明します。

作成するに当たっては、その前提である是正処置、再発防止策、水平展開、予防処置
の意味について、良く理解する必要があります。

 ★正しい品質対策書・クレーム対策書フォーマット
 ★是正処置、再発防止、水平展開、予防処置の違い
 ★不良原因解析と再発防止2段階なぜなぜ分析法
 ★クレーム対策書フォーマット(記入例)


対策書1.jpg

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1.クレーム対策書の位置づけ
ISO9000の要求事項である「是正処置」では「文書化された手順」が求められて
います。その手順は
 •不適合(顧客の苦情を含む)の内容確認
 •不適合の原因の特定
 •不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
 •必要な処置の決定および実施
 •とった処置の結果の記録
 •是正処置において実施した活動のレビュー

であり、不適合が発生したら、同じ不適合が二度と起こらないように、不適合の
発生原因を取り除く処置のことと規定しています。

そうすると、クレーム対策書は、「とった処置の結果の記録」と位置付けられ
ます。顧客から要求があろうとなかろうと、iso9000では、結果を記録して
それを残しなさいと規定しているのです。

2.是正処置の目的
では次になぜ、是正処置を行うのか?を考えてみます。
単なる「処置」だけの場合「モグラたたき」で終わってしまい、その時だけ
(或いはその物だけ)の処理で終わってしまうので、暫くするとまた不適合が
再発してしまいます。

是正処置とは再発防止のために、不適合の原因を除去する処置であり、モグラ
を全滅させると同時に二度ともぐらが入って来ないように仕掛けを行う作戦の
ことです。

しかし、実際に行われる是正処置は、不適合を取り除くだけ、つまり、もぐらを
叩いて終わりにしている場合が多いのです。

例えば、人がミスをした時、「ミスをしたのは仕方ない、次からは気を付ける
ように」と、終わりにしてしまいます。
これでは、是正処置を行ったことにはなりません。

3.何処までが是正処置か?
是正処置とは再発防止のために、不適合の原因を除去する処置であり、そこに
いるモグラを全滅させ、さらにもう二度と現れないようにすることです。

例えば、人的ミスで、うっかり製品を間違って梱包して、顧客に届けて
しまった。これは顧客クレームとなりましたが、原因はそこで梱包作業を
行っていたその作業者にすべての原因があるでしょうか?

「うっかり間違ったのだから、その作業者の責任以外は考えられない」
と思う方が多いと思います。

しかし、よく考えると人が起こすエラー「単純ミス(ポカミス)」の背後には
 ・作業不慣れ
 ・一度に記憶できる量の限界
 ・中断作業からの復帰(昼休み、電話応対、来客など)
 ・わかりにくい表示・名称・類似サイズなど
 ・集団圧力(間違っていると思いつつ集団の行動に従うこと)

など、よく調べると、うっかりミスを誘発するいくつかの要因が浮かび上がって
きます。

モノ違いがその作業に不慣れな新人で、教育不足にあったとすると
 ・何故、教育不足が起きたのだろうか?
 ・教育・訓練担当は誰だったのだろうか?
 ・教育・訓練計画と実績管理は誰がやっているのだろうか? 

等々不適合発生には多くの管理的な要因が絡んでいると考えられます。

直接の原因は、梱包した作業者に対する教育訓練不足であっても、繰り返さ
れるヒューマンエラーには、そこに潜む特徴的な経緯、連鎖があります。

作業不慣れの原因を取り除くためにその作業者の教育の実施は当然の処置
ですが、これではその作業者による発生原因を取り除いただけなので、また
いつか、誰かが同様の不適合を発生させるでしょう。
『誰の責任で、何を、いつまでに、どのように行うのか?』という管理の
基本を明確に既定
しておく必要があるのです。
不適合発生に至った管理のしくみの不備や欠陥を突き止め対策することが
正しい「是正処置」なのです。

ちなみに「予防処置」は、あらかじめ物事を行う前に、不適合を予測して
それが発生しないように対策を講じておくことを言い、行動開始後に発生
した不適合に対する「是正処置」とは区別されます。

4.クレーム対策書の書き方
以上のことを理解した上で対策書を作成します。
顧客から求められて作成する場合もありますが、社内に於いても再発防止の
目的で、関係者と情報共有を行い、周知徹底を図ること、また対策の経緯を
文書で残す事によって、ノウハウの蓄積と共有化につながり、固有技術力と
管理技術力の向上にも寄与します。

では、具体的な作成手順と注意点をを順を追って説明します。
対策書は「なぜ起こったのか?」そのメカニズムと、「なぜ防げなかったのか?
管理の不備を指摘し、その2段階の原因と対策内容を記入します。
 ★不良原因解析と再発防止2段階なぜなぜ分析法
 ★クレーム対策書フォーマット(記入例)


①なぜ起こったのか?
モノの不適合に対しては固有技術の問題を論理的に追跡するトラブル・シュー
ティングを行います。
主な注意点としては以下の通りです。
 ・原因は頭で考えるのではなく、三現主義(事実)でを基に因果関係を調べる
 ・時系列で変化点は何か(何が前と違っているか)をしらべる
 ・プロの目で確認して状況を把握する(初心者では原因解析は困難)
 ・信頼性を高めるため、拡大写真、数値データなどを用いる
 ・現物観察によって証拠を掴み、そこから4M要因の洗い出しと絞り込みを
  行い、原因を特定する。(因果関係を証明する)


ここでは、なぜなぜ分析やQCストーリーは使いません。
なぜなら、頭に浮かんだ思い付きのつじつま合わせの解析になってしまう
からです。
 ★是正処置、再発防止、水平展開、予防処置の違い
 ★なぜなぜ分析の正しい実施方法手順書「目次」 
 ★不良解析フォーム3セット(記入例)


②なぜ防げなかったのか?
一般に、この観点がどこの企業でもおろそかになって、再発防止が図られない
のです。
なぜ起こったか?は追究しても、なぜ防げなかったのか?は追究しません。
これでは、もぐらたたきから永久に抜け出せないのです。 

上記のポカミスの事例では
 ・なぜ新人に作業させたのだろうか?
 ・何故、教育不足が起きたのだろうか?
 ・教育・訓練担当は誰だったのだろうか?
 ・教育・訓練計画と実績管理は誰がやっているのだろうか? 


発生しあ些細な人的ミスでも、多くの管理上の不備が指摘されます。
しかし製造現場では、そもそも「日常管理のしくみ」の考えが希薄です。
ベテランが、過去の経験の積み上げから、良かれと思った方法で作業を行い
それを新人が見て、覚えるのです。

なぜ防げなかったのか?は日常管理の仕組みが不備だからであり、例えば
以下のようなものです。
(工程設計のしくみ)
 ①QC工程表作成のしくみ 
(日常の未然防止のしくみ)
 ②重点特性・要因監視のしくみ(見える管理)
 ③4M変化点管理のしくみ
 ④異常監視・処理のしくみ
 ⑤日常改善活動のしくみ
 ⑥教育・訓練のしくみ

(ルールを守るしくみ)
 ⑦検査の仕組み
 ⑧職場巡回のしくみ
 ⑨朝礼


工場で発生する不適合は、①〜⑨のどこかに不備・欠陥があるからです。
ここを指摘し、直さなければ、また不良は再発するのです。

以上をよく理解したうえで、下記の無料フォーマットをお使いください。
 ★不良解析フォーム3セット(記入例)
 ★クレーム対策書フォーマット(記入例)

また、「なぜ起こったのか?」そのメカニズムと
なぜ防げなかったのか?
管理の不備を指摘しますが、その手順内容については以下の記事を見てください。
 ★不良原因解析と再発防止2段階なぜなぜ分析法

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