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Channel: 製造業品質改善の進め方 高崎ものづくり技術研究所Blog
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検査とは? 製造業の品質管理用語(キーワード)事例解説

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検査は、工場から不良を流出させない手段として良く用いる手法である。
しかし、一方で付加価値を生まない作業であると言われ、トヨタ式生産ライン
では、ポカヨケや自働化の徹底、また人を育てることによって、源流で不良品
を出さない生産を行い、検査工程は排除し、品質とコスト低減を両立させると
言われている。

ただ、本当に「検査」のメリット・デメリットについて、正しく理解されて
いるだろうか?
品質管理を正しく行くためには、用語や手法・技法の本質を正しく理解
した上で、使わなければならない。

第三者検査.jpg

ここで、トヨタ生産方式の成り立つ前提条件を整理してみよう。
ポカヨケ、自働化を徹底した生産ラインの構築は、平準化され、生産数量が
ある程度見込める工場に限定される。
製造業の大部分を占める多品種少量受注生産工場では、すべての工程、品種毎
にポカヨケ対策を実施するのは困難が伴う。

4M変動の激しい工程に置いて、一定の品質を確保するためには、検査工程を
置かざるを得ない場合が多い。
そこで、不良流出を抑え、顧客満足度を維持しながら、費用を最小限に抑える
ために「検査方式の設計」が重要な位置を占めることになる。

検査工程の設置は
 ・受け入れ検査
 ・工程内検査
 ・最終出荷検査

検査方式として
 ・全数検査
 ・抜き取り検査(AQL)
などを、品質状況を監視しながら、適宜採用していくことが求められる。

検査の役割は
 ・顧客側の立場で検査し、不良流出ゼロ、クレームゼロに抑えること
 ・工程ストップ、出荷停止権限を持つこと
 ・問題点を即、工程にフィードバックすること
である。

そのためには、検査のスキルを持った人材の育成も欠かせない。

検査の役割として、「工程ストップ」「出荷停止」権限を有効に行使する
ことが最大の役割と言える。

目的と効果を正しく理解し、何事にも限界があることも見極めながら行動
する姿勢が重要なのだ。


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